事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

Excelの機能を最大限に生かして、業務の省力化や経営状況を分析できる資料の作成方法を解説します。

ヒストグラム(度数分布表)を作成する(その1)"FREQUENCY関数"

ヒストグラム(度数分布表)の作成方法は複数あります

 

ヒストグラムの元になる"度数分布表" の作成は、通常業務でも使えるテクニック

 ヒストグラム( histogram )は、縦軸に度数横軸に階級をとった統計グラフの一種で、データの分布状況を視覚的に認識することができます。

 「パレート図」等と同様に品質管理などに使われます。

 また、 "ヒストグラムの元" になる "度数分布表" は日常の業務でも比較的作成する機会が多くあると思います。

 アンケート等で "職員の年齢別分布"「20歳代が何人、30歳代が何人、・・・」などの統計を取る場合や、成績表などから「〇〇点以上、△△点以下が何人」などの資料を作成する際には度数分布表の作成テクニックが使えます。

 ※ FREQUENCY関数で指定できる「階級」は「〇〇を超える(以上)、△△以下に限られる

 

度数分布表

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ヒストグラム

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ヒストグラム(度数分布表)の作成方法は複数ある

 "ヒストグラム" は、度数分布表を視覚的に分かりやすくするためにグラフ(棒グラフ)にしたものです。

 そこで、ヒストグラムの元になる度数分布表の作成方法について説明します。

 度数分布表の作成方法は複数あります。

  1. FREQUENCY関数を使う
  2. COUNTIF関数(COUNTIFS関数)を使う
  3. ピボットテーブルを使う
  4. Excel2016からの新機能 "統計グラフ " の「ヒストグラムの機能」を使う

 

1.FREQUENCY関数を使って、度数分布表を作成

 FREQUENCY関数を使えば、簡単に "度数分布" の表を作ることができます。

 関数を使うことにより、一度数式を作成しておけば "元のデータ" が変更された場合に "自動的に更新" されるようになります。

 

FREQUENCY関数の引数区間配列」の設定方法は2種類ある

 引数「区間配列」には度数分布の "基準値" を入力します。

 個の引数を設定(入力)する方法には2種類あります。

  A. 度数分布の "基準値" を入力した「項目名」を引数にする

  B. 度数分布を "配列形式" で手入力する 

 

A.「項目名」を引数にする

 あらかじめ "度数分布" の基準になる「数値(基準値)」を入力した欄(項目名)を用意します。

 "項目名" を引数にすることで、引数が簡単に入力できるだけではなく、"基準値" を変更する場合にも簡単に設定できます。

 この「項目名」は、FREQUENCY関数の "引数" として使用するので、「50点代」のように"文字" を付けたい場合には、「セルの書式設定」で"文字を付ける"設定をすることで表示させます。

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FREQUENCY関数を入力する(※ 「基準値の項目」をあらかじめ用意)

 用意しておいた、度数分布の"基準"になる「欄」を引数"区間配列"にします。

 FREQUENCY関数の引数「 =FREQUENCY( データ配列 , 区間配列)」

  1. "度数分布" を表示させる範囲を選択します。
  2. 引数 "データ配列" の部分を選択します
  3. 引数 "区間配列" の部分を選択します
  4. 最後に、" CTRL+SHIFT+Enter " を同時に押して数式全体を " { } " で囲みます 

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 B. 度数分布を "配列形式" で手入力する 

 基準値の「項目名」をあらかじめ用意しなくても、引数 "区間配列" を直接「手入力」することもできます。

 「統計資料」や「アンケート」などのように、あらかじめ「項目」が用意されている場合は、引数を直接手入力する方が適しています。

 引数 "区間配列" を直接手入力する場合には、度数分布の数値 { }で囲んで「配列形式」にして入力します。  

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度数分布の "基準値を変更する

 「~50点」「~60点」・・・の10歳きざみから、「50点~54点」「55点~59点」・・・の5点刻みに変更します。

 

項目名の"基準値"を変更する場合

 用意する基準値になる「欄」を変更するだけ "度数を変更"することができます。

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「手入力」で "基準値" を変更する場合

 手入力で直接「数式」を変更することで "度数を変更" することができます。

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"度数分布表" ヒストグラム(グラフ)に変更する

 "度数分布表" を使って、"ヒストグラム(グラフ)" を作成します。

 

「おすすめグラフ」でグラフを作成

 あらかじめ用意されている "グラフの作成機能" の「おすすめグラフ」を使ってヒストグラムを作成することができます。

  1. "度数分布表" 全体を選択します
  2. 「挿入」タブを選択します
  3. 「おすすめグラフ」をクリックします
  4. グラフの挿入ダイアログで、「おすすめグラフ」タブを選択
  5. "縦棒グラフ" を選択
  6. 「OK」ボタンをクリック

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ヒストグラムが作成されました

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 このように FREQUENCY関数を使うことで、「50~54点」「55点~69点」のように "度数ごとにデータの個数をカウント" することができます。

 関数を使うメリットとして、一度設定しておけば "元になるデータ" が変更されれば自動更新" されます。

 (その2)では、COUNTIIF関数(COUNTIFS関数)を使う方法を説明します。

 

 

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