事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

Excelの機能を最大限に生かして、業務の省力化や経営状況を分析できる資料の作成方法を解説します。

ピボットテーブルを使って、毎月の集計業務を自動化する

ピボットテーブルを使えば、毎月発生する月例の集計業務を自動化することができます

 ピボットテーブルを使えば、リスト形式の「表(CSV)」を簡単に集計することができます。

 ピボットテーブルの設定は「フィールド(項目)」をドラッグ操作するだけでとても簡単ですが、毎月同じ操作をするのは大変です、そして操作を間違えてしまう可能性もあります。

 そんな時は、一度作成した「ピボットテーブル」をテンプレートとして登録しておき、それを使うことにより複雑な「マクロ」などを使うことなく、毎月の定例業務を自動化することができます。

 

 今回の様な集計は、関数を使っても可能ですが、ピボットテーブルを使うメリットは「顧客」や「支店」などが増減しても数式の変更が必要ないことと、集計方法を簡単に変更できることです。

 

ピボットテーブルを使って集計します

集計表作成時には何点か注意する点があります。
  1. シートの「A1」からリストを作成する
  2. 1行目は「項目名(見出し)」にして、データは2行目から
  3. 「見出し行」は、1行にする
  4. セルの「連結」はしない

 

集計する「表」を用意します

   f:id:k-ohmori9616:20190904105630p:plain

  

「表」をテーブル化します

 「表」をテーブル化しておくことで、データ(行)件数が増減しても自動的にテーブルが広がるので「範囲選択」をやり直す必要がありません。

※ 「テーブル化」せずに「直接範囲指定」する場合は、予想される最大数の行を指定しておきます。

   f:id:k-ohmori9616:20190904110335p:plain

 

ピボットテーブルを作成します

 テーブル化した「テーブル1」をピボットテーブル化します。

  1. 表内のどこか1カ所にカーソルを置きます
  2. 「挿入」タブを選択します
  3. 「ピボットテーブル」をクリックします
  4. ピボットテーブルの作成のダイアログで、テーブルが正しく選択されているのを確認します
  5. 「OK」をクリックします

   f:id:k-ohmori9616:20190904111607p:plain


「Sheet」が追加され、ピボットテーブルが作成されます

   f:id:k-ohmori9616:20190904113104p:plain

 

集計方法は簡単に変更できます

 集計方法は、ドラッグ操作だけで簡単に変更できるので「目的別」に複数作成しておけば便利です。

 

「顧客名」「支社名」クロス集計

   f:id:k-ohmori9616:20190906102256p:plain

 

 「顧客名」「商品名」でクロス集計

   f:id:k-ohmori9616:20190906102439p:plain

 

「顧客名」「日付」複合集計し、「分類」クロス集計  

   f:id:k-ohmori9616:20190906102615p:plain

 


 ピボットテーブルを「テンプレート」として保存します

 作成したピボットテーブルの元のデータになっている「表」の内容を削除して、翌月から使えるようにテンプレート化します。

 ファイルを「読み取り専用」として保存し、誤って書き込んでしまうことを防ぎます。

 集計が終わって保存する時は、「名前を付けて保存」で名前を変えて保存します。

「表」のデータを削除します
  1. 「名前ボックス」でテーブル名「テーブル1」を選択します。
  2. テーブルの「データ」が選択状態になるので「Del」キーを押してデータを削除します。

    f:id:k-ohmori9616:20190905105439p:plain

 

「行」を削除します

 「表」をテーブル化しているので、貼り付ける「行数」に応じてテーブルが広がるので、画面に収まる程度の行数にしておきます。

   f:id:k-ohmori9616:20190905112648p:plain

 

「読み取り専用」で保存します

 テンプレートのファイルを、誤って上書きしないように「読み取り専用」のオプションを設定します。

  1. 「名前を付けて保存」を選択します
  2. 名前を付けて保存のダイアログで「ツール」を選択します
  3. 「全般オプション」を選択
  4. 全般オプションで「読み取り専用を推奨する」にチェックを入れる
  5. 「OK」をクリック

   f:id:k-ohmori9616:20190905113949p:plain

 

ブック保護で「最終版にする」にしても「読み取り専用」になります
  1. 「ファイル」タブを選択します
  2. 「ブックの保護」を選択します
  3. プルダウンメニューで「最終版にする」を選択します

   f:id:k-ohmori9616:20190905115110p:plain

 

 

「テンプレート」を呼び出して、月次の集計をする

 分析したいデータ(当月分)をコピーして、テンプレートの「表」に貼り付けます。

 集計が終わって保存する時は「上書き」せずに、「名前を付けて保存」で保存するようにします。

当月分のデータをコピーします

 カーソルキーのコマンド(ショートカット)はとても便利な機能です、数百行を選択するのも一瞬でできます。

  1. コピーする範囲の「左上」で、「 CTRLキー」「SHIFTキー」「 ⇩ (下向きのカーソルキー)」をクリックすることで、データ範囲の最下行までが選択されます。
  2. 続けて「 CTRLキー」「SHIFTキー」「 ⇒ (下向きのカーソルキー)」を推すことで「範囲全体」が選択状態になります。
  3. 選択範囲内で「右クリック」してコピーを選択します

   f:id:k-ohmori9616:20190905122236p:plain

コピーしたデータを、テンプレートの「表」に貼り付けます

 「表」をテーブル化しているので、張り付けたデータに合わせて「テーブル」が広がります※ ピボットテーブルの参照範囲も広がる)。

   f:id:k-ohmori9616:20190905123542p:plain

 

ピボットテーブルを「更新」します

 ピボットテーブルの参照範囲のデータを変更しても、ピボットテーブルは自動的には更新されないので、手動で「更新」します。

  1. ピボットテーブル内のどこか1カ所を選択します。
  2. 「ピボットテーブルの分析」タブを選択(※ ピボットテーブル内を選択していないと表示されません)
  3. 「更新」をクリック

   f:id:k-ohmori9616:20190905124709p:plain

 

 

「タイムライン」を使えば、月毎(単月)に分ける必要はありません

 今回は月毎(単月)で集計する方法を説明しましたが、ピボットテーブルの「タイムライン」を使えば複数月(累計)で集計することができます。

 複数月(累計)で集計するメリットは「前月比」「前年同月比」の集計ができることです。

 今回のテーマは業者支払いなどの単純な事務作業についてですが、「仕訳表」を単月で区切らずに集計すれば高度な分析作業が簡単にできます。

 

タイムラインを作成
  1. 「ピボットテーブル分析」タブを選択
  2. 「タイムラインの挿入」をクリック

   f:id:k-ohmori9616:20190906085320p:plain

 

タイムラインが作成されました

   f:id:k-ohmori9616:20190906085506p:plain

 

ドラッグ操作で表示する期間を選択します

 タイムラインの「バー」をドラッグ操作することで、表示(集計)する範囲を選択することができます。

   f:id:k-ohmori9616:20190906085558p:plain

 

「前年同月比」の集計もできます

 「行」のボックス「日付」➡「年」の順番で配置することで、「日付」と「年」の複合集計になり、前年同月比での集計になります。

   f:id:k-ohmori9616:20190906090304p:plain

 

ピボットテーブルで「前年同月比」の集計資料を作成する - Excelの機能を活用して、事務作業の省力化や経営分析をする

 

 

 

k-ohmori9616.hatenablog.com