事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

Excelの機能を最大限に生かして、業務の省力化や経営状況を分析できる資料の作成方法を解説します。

「ピボットテーブル」の機能を使って「勤怠表」を作成する(その3)

「ピボットテーブル」の具体的な操作方法 改訂版

  その2に引き続き、ピボットテーブルを使って「勤怠表」を作成する具体的な操作方法を説明します。

 勤怠表から「ピボットテーブル」を作成する方法

 ピボットテーブルの元になるデータ(表)の作成時には、いくつかの注意点があります。

 

作成する表(リスト)は基本的に単純な構造の表にする
  1. データを「結合」しない
  2. フィールド名(項目名)を「複数行」にしない
  3. 「空白行」をつくらない

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職員別に表を分けずに勤怠情報の内容を箇条書きの形式で入力

 給与計算だけが目的であれば、職員別」の集計表になると思います。

 しかしピボットテーブルでは職員別にせず、全ての情報を盛り込んだ「1つの表」にすることで、勤怠情報を分析する資料を作成することができます。

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ピボットテーブルを作成します

  1. 表の中のどこか1カ所のセルを選択状態にします
  2. 「挿入」タブを選択
  3. 「ピボットテーブル」をクリック
  4. 「ピボットテーブルの作成」ボックスで「OK」をクリック

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別シートに作成されたピボットテーブルを設定します

 集計したいフィールドをそれぞれのボックスにドラッグします。

  1. 「氏名」のフィールドを「行」のボックスにドラッグします
  2. 「勤務状態」のフィールドを「列」のボックスにドラッグします
  3. 「時間」のフィールドを「∑ 値」のボックスにドラッグします

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 勤怠表のピボットテーブルが作成されました

 この集計表は「元データ」をもとに作成されています。

 「元データ」を編集(追加・挿入)しても、更新することで最新の状態になります。

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「ドリルダウン」して、データの詳細を確認することができます

  ピボットテーブル内の詳細を確認したい「値」をダブルクリックすると、別シートで元データの行が表示されます。

 

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ボックス内のデータを入れ替えるだけで、行と列を入れ替えることができます

 ドラッグ操作でボックスを入れ替えるだけで、集計方法を変更することができます。

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フィルター機能を使って、情報を絞り込むことができます

勤務状態を「時間外」に絞り込みます

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氏名を「佐々木一郎」に絞り込みます 

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簡単な操作で、元データと連動したグラフを作成することができます

 ピボットテーブルでできる集計方法は、複合集計だけではなく、設定の難しいクロス集計も簡単にできます。

 

「氏名」「勤務状態」クロス集計した「集合縦棒グラフ」を作成
  1. ピボットテーブル内のどこか1カ所のセルを選択します
  2. 「ピボットテーブルツール」を選択
  3. 「分析」タブを選択
  4. 「ピボットグラフ」をクリック
  5. 「集合縦棒」を選択

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「氏名」と「勤務状態」クロス集計した集合縦棒グラフが作成されました

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グラフの種類も簡単に変更できます

 ピボットテーブルには、色々な種類の「ピボットグラフ」が用意されており、簡単に切り替えることができます。

 

「氏名」「勤務状態」クロス集計した「積み上げ縦棒グラフ

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行と列を入れ替えたグラフ

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「スライサー」「タイムライン」を使って情報を絞り込む 

 スライサーを使えば集計方法の条件になる「要素」を絞り込むことができます。

 タイムラインを使えば集計期間を自由に変更することができます。

 

スライサー」を使って集計するフィールドを絞り込む
  1. ピボットテーブル内のどこか1カ所のセルを選択
  2. 「ピボットテーブルツール」を選択
  3. 「分析」タブを選択
  4. 「スライサーの挿入」をクリック
  5. スライサーの挿入ボックス「氏名」「勤務状態」チェックを入れる

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氏名」と「勤務状態」のスライサーが作成されました

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 複数のフィールドを選択することもできます

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 「タイムライン」を使って「期間」を絞り込む

 タイムラインの機能を使えば、元データは「月別」「年度別」に分ける必要はありません。

 元データを「期間」で区切らないことにより、「年度内の推移」「前年同月比角」「複数年比較」などの資料を簡単に作ることができます。

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絞り込みの種類を「年」にして「2018年」を選択

 タイムラインの「バー」の両端を、ドラッグすることで集計対象の期間を変更することができます。

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 このようにピボットテーブルを使えば、勤怠データを単純にリスト入力するだけで集計だけでなく、分析資料を作成することができます。

 

 

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