「文書整理」はとても大変な作業です
事務員の日々の業務の中で文書整理はかなり面倒な作業です。
そのためどうしても後回しになってしまいがちで、気が付けば未整理の文書が大量に溜まってしまいます。
少しでも効率よく整理するために色々と工夫してみてもなかなか良い方法が見つからず、なんとなくこなしているのが現状ではないかと思います。
そして、最も大変なのは、何かあったときに文書を探すという作業です。
今回はExcelのピボットテーブルの機能を使って、整理(保存)の作業を簡単(単純)にして、なおかつ文書を即座に探す(検索する)ことができる方法を紹介します。
- 「文書管理」は仕事の効率化の大きな問題
- 画期的な文書整理法「スーパー整理術」
- 文書を「一元化」して整理する
- 分類方法が統一されない
- 書類を届いた順に分類する
- Excelのピボットテーブルを使って「目録」を作る
- 効率よく「目録」をつくる
「文書整理」は仕事の効率化の大きな問題
メールが「私的な通信手段」にとどまり、「公的な連絡」には使われなかった頃は、日々届く多種多様な大量の文書を「整理(管理)」することが事務作業の中で大きなウエイトを占める仕事でした。
届いた書類を確認し「内容別にファイリング」していきますが、問題なのは1つの書類が複数の「内容に該当」することがあることです。
厳密に整理しようとすれば「図書カード」のように、1つの文書がどのような内容を含んでいるかを管理する必要があります。
さらに問題なのが「内容の分け方に個人差がある」ことです。
「内容」の分類が統一されていなければ、分類した人以外が探し出すことは困難です。
日々たまっていく「文書」を効率よく整理・監理することが、仕事の効率化の大きな問題となっており、いろいろな整理方法が提唱されていました。
画期的な文書整理法「スーパー整理術」
当時はビジネス雑誌で「文書整理の方法」の特集が組まれる時代でした。
指南本も数多く出版されており、その一つに「スーパー文書整理術」というものがありました。
この方法は「整理しないことで、整理する」という画期的なものでした。
「スーパー文書整理術」の基本は、文書を「書類が来た時期」で整理する
この方法は「書類が来た時期」だけを基準にして分類します。
この方法の主な目的は、下記の2点です。
- 書類を溜めない
- 書類を分類しない(※ 「時期」以外では)
1.書類を溜めないというのは、もっとも重要なことです
一旦文書を溜めてしまうとなかなか作業に取り掛かることができず、余計に文書が溜まってしまう原因となります。
2.書類を「溜めない」ために、書類を「分類しない」
書類を「溜めない」ために役に立つのが、2番目の「書類を分類しない」ということです。
なぜ分類しないと書類がたまらないかというと「分類するための作業自体」が手間のかかる作業で、そのためなかなか整理に取りかかることができないからです。
書類を一つひとつ「確認」し、それぞれを分類して「別のファイルに綴じる」作業はとても時間がかかる作業です。
そのためにどうしても書類整理の作業に取り掛かることを敬遠しがちになり、結果的に整理できない書類が溜まってしまうのです。
そして、整理する際に問題になるのが書類の内容によっては分類が難しい書類があることです。
分類方法が統一されない
分類方法はどうしても「作業する人の主観によって左右されて」しまいます。
このような方法で分類された書類は、書類を探す時に問題が発生します。
保存した人以外が探す際には「主観が異なる」のでいつまでたっても書類が見つかりません。
一度「ここにあるはずだ」と思って探した保存場所(ファイル)に目的の書類がないと、
- 違うファイルの中にあるのか?
- まだ分類されていないのか?
- 本当は届いていないのか?
などと様々な考えがよぎり、混乱を招くことになります。
書類を届いた順に分類して、封筒に入れるだけ
そこで考えられたのが、書類を内容によって分類せずに、「届いた順番」つまり時系列だけで分類する方法です。
具体的には、封筒(A4サイズが入る「マチ」がついている封筒)に書類を届いた順番に入れていくのです。
何も考えずに、届いた書類を「封筒」に順番に入れておき、封筒がいっぱいになった時点で、入っている書類の最初と最後の日付を書くだけです。
このように「届いた順番という明確な基準」によって分類することにより、「主観を排除する」のです。
封筒に入れる分類方法による、メリットとデメリット
「届いた順番に封筒に入れていく分類方法」は効率の良い分類方法ですが、どうしてもデメリットもあります。
「内容別に分類」するメリットとデメリット
メリット
- 内容による分類は一般的な分類法なので理解しやすい
- 「内容が明確な書類」の場合は、最短の時間で書類を探すことができる
- 分類作業に時間がかかる
デメリット
- 分類方法にブレが出る(※ 作業した人や、時には同じ作業者でもその時々で異なる分類をしてしまう)
- 時間がかかるので、作業を敬遠しがちになり溜まってしまう
「時系列」で分類するメリットとデメリット
「書類を探す」際に、必ずある「キー」となる要素があります。
「 ~ごろにきた 」です。
この要素は「時系列」で分類されている書類を探す際には大きな要素になります。
分類された数多くのファイルからやみくもに探すよりも、「この袋か、この袋の中に必ずある」ことが分かっていれば、書類を探す際のストレスがかなり軽減されます。
メリット
- 「書類が届いた時期」という、明確な分類なので誰がやっても同じ分類になる
- 目の前にある書類を「袋に入れる」だけなので時間がかからない
- 書類を保存することがそのまま分類になるので、「未整理」の書類が溜まりにくい
デメリット
- 分類方法について「理解できていない人」から見ると、「整理していない」と思われる
上記のような2つの整理方法のメリット・デメリットを考えると、「書類を内容別に分類しない方がよい」ということなのです。
「いつ届いたのか」が文書を探す際の「キー」になる
実際に書類を探す時に「キー」となるのは、たしかに「内容」が大きな要素ですが、次に来るのは「いつ頃届いたのか」だと思います。
つまり「いつ頃をキーにして袋を選び」、あとはその袋の中を探せば確実に目的の書類が探せるはずです。
内容別に細かく分類されている場合でも、「ファイル内で瞬時に見つかる」ことは少なく、その「ファイル内で探す」ことになるはずです。
日々の「分類にかかる作業時間」が削減されたメリットを考えれば、「袋の中を探す時間は問題にならない」と思います。
そして分類の基準が「書類の届いた時期」だけなので、「時期さえ特定」できれば対象の袋の中に確実にあるのです。
ピボットテーブルを使って「目録」を作る
この「袋を使って時系列に分類する方法」の問題点は、書類を管理している担当者が文書を探す際には問題ないのですが、作業者以外が探す際には問題が発生します。
この方法は「内容別に分類する作業時間を削減することにより、探す際にかかる時間を許容しているの」で、「分類作業をしていない人からみれば、手抜きととられる」可能性があるということです。
確かに「内容を基準」にした場合は、見つかる場合は「短時間に、ストレスを感じることなく」目的の書類を探し出すことができます。
内容を基準に分類された「書類」を探す際の苦労を体験している人であれば理解できても、そんな体験のない人に「袋を渡して「この中のどこかにあります」では、特に上長の場合などは問題になるかもしれません。
「袋の中身の目録」を作る
この問題は「袋の中身の目録」を作成すれば回避することができます。
しかし「時間をかけて目録を作る」のであれば、せっかく作業時間を削減した意味がなくなります。
しかも、目録を作った場合「ここはこうした方が…」等と、いろいろと「主観にもとづく要求」が出て来る可能性があり、さらに作業時間が増えてしまいます。
効率よく「目録」をつくる
とても大変な「目録を作る作業」も、ピボットテーブルを使えば効率よく作成することができます。
前置きが長くなりましたが、ピボットテーブルを使って効率よく「目録」をつくる具体的な方法は次回に続きます。
(その2)へ続く
- 「文書整理」はとても大変な作業です