「ピボットテーブル」を使って、「勤怠表」を作成する 改訂版
事務員の業務で、「勤怠表(タイムカード)」の整理は大変な業務です。
事務の給与担当者は毎月、タイムカードを整理し「勤怠表」を作成し、それをもとにして職員各人の毎月の「給与額」を確定し、銀行の振込依頼書を作成します。
その給与の振込依頼書を金融機関へデータを提出する期限は絶対で、何より「振込額を間違える」ことは、職員の「会社」に対する信頼を下げる要因になってしまいます。
給与担当者は他の業務もこなしながら、期限が限られ間違えることを許されない「勤怠表」の作成に毎月追われることになります。
タイムカードと連動する「勤怠管理ソフト」を導入すればタイムカードを整理が自動化されますが、システムの価格がかなり高額なこともあり導入はなかなか難しいと思います。
そんな状況で「給与担当」の事務員の方は、各自色々と工夫して作業をこなしていると思います。
「統計」や「検索」の関数を使って表を作成しておけば、次からは作業はある程度自動化されて楽になるのですが、「職員の移動」や「入退社」、その他の「状況」の変化があるたびに「表(数式)」の手直しが必要になります。
困ったことに、必要に応じて度々「表(数式)の手直し」を繰り返しているうちに、作成者本人でも表(数式)の構造等がわからなくなる可能性があります。
担当者が変わった場合の引き継ぎも難しいのではないかと思います。
毎月々期限に追われて行わなければならないタイムカードの整理(集計)ですが、数式を使わずコマンドだけで集計ができるピボットテーブルを使えば、比較的簡単にできるようになります。
勤怠情報を「個人別」ではなく、「1つの表」で管理する
そして、「勤怠表」を作成する目的は給与計算だけではありません。
いろいろな目的で、「勤怠表」をもとにして職員の勤務状況を報告する必要が生じます。
- 「有給」の取得状況
- 「遅刻」・「早退」の状況
- 「時間外業務」の発生状況
通常、「勤怠情報」は個人別に作成しますが、その場合「勤怠情報」の統計資料を作成する場合は、再度個人別に集計することになってしまいます。
下のように全ての勤怠情報を「1つの表」にしておくことで、統計資料を簡単に作成できるようになります。
勤怠情報を「1つの表」にまとめる
「ピボットグラフ」で簡単に視覚化した情報を作成できる
勤怠情報を「1つの表」で管理することで、下のような勤怠情報の一覧表を作成することができます。
通常「勤怠表」は給与計算を目的に集計しているので、職員別、部署別、事業所別などの集計をする場合は別の表を作成せざるを得ません。
その他にも、「去年との比較」や「月別の発生状況」などの資料の作成をすることもたびたび発生することと思います。
このような時にも、ピボットテーブルを使えば即座に対応することができます。
ピボットテーブルを使って、タイムカードを整理する
ピボットテーブルには「タイムライン」や「スライサー」等の便利な機能が用意されています。
「タイムライン」で集計期間を「2018年8月」に指定
「タイムライン」を使えば、「期間」を指定して集計ができます。
「スライサー」で、集計対象を「佐々木一郎」に指定
「スライサー」を使えば、指定した「職員」のみを集計したり、特定の「勤怠状況」だけの集計をすることができます。
「スライサー」で集計対象を「時間外」に指定
複数の「スライサー」と「タイムライン」を組み合わせる
「タイムライン」使った集計にはいろいろなメリットがあります
「タイムライン」を使えば、表を月別に分けておく必要がありません。
タイムラインで必要な「期間」を指定するだけで、その期間の集計を簡単にすることができます。
- 集計表を「更新」することによって、元のデータの変更が反映される
- 「元のデータ」を作り変える必要がない(※ 数式を入力する)
- ピボットテーブルに用意されている「タイムライン」の機能を使うことで、元のデータは「期間」を考慮せずに作成できる
※ タイムラインを使えば、必要な月(期間)に絞り込むことができます
「勤怠状況」を入力した、単純な「表」を用意するだけ
ピボットテーブルの作成は簡単です、必要な項目を入力した、単純な構造の表を用意するだけです。
「表」には関数を入力する必要はなく、ピボットテーブルは「別シート」に作成され、元のデータの修正(更新)は連動して反映されます。
ピボットテーブルを使えば、勤怠状況を「分析」することもできます
勤怠表(タイムカード)の管理にピボットテーブルを使えば毎月の集計が楽になるだけでなく、職員の「勤務状況を分析」することもできます。
勤怠状況をグラフ化することも簡単です
ピボットテーブルと連動して作成される、各種のグラフを使って職員の勤務状況を視覚化して「分析」することができます。
職員別の勤怠情報の「積み上げ棒グラフ」
勤怠種別の「円グラフ」
ピボットテーブルを使って「勤怠表」を管理すると色々なメリットがあります。
具体的な作成方法は(その2)に続く。
- 「ピボットテーブル」を使って、「勤怠表」を作成する 改訂版