"クロス集計"は「集計表の最終形態」
- "クロス集計"は「集計表の最終形態」
- "クロス集計"された「表」は、集計(分析)方法を変えることができません
- シンプルな「表」にしておけば、様々な集計(分析)方法に対応できる
- 「取得と変換」の機能で、クロス集計された「表」をシンプルな「表」に変換する
- "シンプルな表" をピボットテーブルにする
"クロス集計"された「表」は、集計(分析)方法を変えることができません
一般的に"リスト"に入力されているデータを元に「何かを分析したい」場合、縦方向と横方向に分析する項目を配置する"クロス集計"の集計方法で「表」を作ることが多いと思います。
しかし、「表」をクロス集計の方法で作成すると、他の分析方法に変更する作業が大変です。
分析作業をする時は「1つの視点から表を作成すると、どうしても別の視点からも分析したくなる」ので、集計方法の変更が難しい"クロス集計" で作成するのは避けるべきです。
項目(フィールド)を「縦」か「横」の一方向に配置する、シンプルな集計方法にしておけば様々な分析方法に対応することができます。
しかし、既に"クロス集計で作成済みの資料を元に、別の角度からの分析表を作成" するためには一旦「シンプルな表に作り替える」必要があります。
「商品名」と「月」でクロス集計した表
縦軸に "商品名"、横軸に "月"を配置した「クロス集計」の表にすることで、"商品名" と "月" の「クロスした部分が知りたい"情報"」になるので「どの月に、どんな商品が売れたのか」が一目でわかります。
シンプルな「表」にしておけば、様々な集計(分析)方法に対応できる
"クロス集計" にすることで、情報が伝わりやすい「表(資料)」になりますが、他の集計(分析)方法に変更する作業は大変です。
また、簡単な操作で様々な分析方法で「集計表」を作成できる「ピボットテーブル」は「元になる表がシンプルな表」でなければ使うことができません。
"商品売上"の一覧表(リスト)
"日付"、"商品名"、"金額" の3つの項目(フィールド)を「横方向」に配置して集計したシンプルな形態の「リスト(表)」です。
この状態であれば、この「表」から "ピボットテーブル を使って様々な集計方法の「集計表(分析表)」を作る" ことができます。
「取得と変換」の機能で、クロス集計された「表」をシンプルな「表」に変換する
自分で表を作成する場合は、最初から「シンプルな表」を作成すればよいのですが、"すでにクロス集計で作成してある「表」" を使う場合は大変です。
クロス集計された「表」をシンプルな「表」に作り替える方法は、VBA等を使って変換するか、コツコツと手作業で作業するしかありませんでした。
「取得と変換」の機能で、"列ピボットの解除" をする
"取得と変換" の機能は、従来の"外部データの取り込み" に代わるものとして、Excel2016から標準装備された機能です。
この"取得と変換" は単純に置き換えられたのではなく、今までになかった機能が盛り込まれています。
"取得と変換" に新しく追加された機能、「列ピボットの解除」を使って、クロス集計された「表」をシンプルな「表」に変換していきます。
"列ピボットの解除" の手順
"列ピボットの解除" は、以下のような手順で進めます。
- 「表」を"テーブルに変換" する
- "PowerQueryエディタ" に "テーブル化" した「表」を読み込む
- "列ピボットの解除" の機能で、クロス集計を解除する
1.クロス集計された「表」を"テーブルに変換"する
"列ピボットの解除" の機能を使うためには"「表」がテーブル化" されている必要があります。
- テーブル化する「表」のどこか1カ所のセルを選択する
- 「挿入」タブを選択
- 「テーブル」をクリック
- テーブルの作成ダイアログで、テーブルに変換する範囲が正しく選択されていることを確認
- 「先頭行をテーブルの見出しとして・・・」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
2.テーブル化された「表」を"Power Queryエディタ" に読み込みます
"列ピボットの解除" には、「PowerQuery」を使います。
テーブル化した表を "データの取得と変換" の機能「テーブルまたは範囲から」のオプションで "Power Queryエディタ" に読み込みます
- テーブル化された「表」のどこか1カ所を選択
- 「データ」タブを選択
- 「テーブルまたは範囲から」を選択
3.4月~7月の項目(フィールド)の"列ピボットの解除" をします
新しい"ウィンド"が開き、PowerQueryエディターに「テーブル」が読みこまれます。
PowerQueryエディターの "列ピボットの解除" コマンドで、クロス集計された「表」を「シンプルな表」に変換します。
- 「4月」の項目名の部分をクリックします
- "SHIFTキーを押したまま「7月」の項目名をクリック" して、4月~7月の項目全体を選択状態にします
- "PowerQuery エディター" の「変換」タブを選択します
- 「列ピボットの解除」をクリックします
"クロス集計" が解除され、シンプルな"集計表" になりました
"PowerQueryエディタ" 上で列ピボットが解除され、"シンプルな集計表" に変更されました。
"PowerQueryエディタ" を閉じて、変換した「表」をシートに変換します
"PowerQueryエディタ" はExcelの機能ではなく、別アプリなのでExcelに読み込む操作をします。
- 「ファイル」タブを選択
- 「閉じて読み込む」を選択
「Sheet8」として、変換した「表」が読み込まれました
クロス集計が解除され、シンプルな集計方法の「表」になりました
"項目名" が、消去されているので修正します。(※ セルに直接入力)
このように、データの取得と変換の機能を使えばクロス集計された表の「列ピポット」を解除して、シンプルな表にすることができます。
すでに作成済みの表を使って"分析表" を作成する際などに、いままでは手作業で変換するしかなかったものがコマンド一発で変換できます。
シンプルな表に変換すれば、"ピボットテーブル" の機能を使って様々な種類の分析資料を作成することができます。
"シンプルな表" をピボットテーブルにする
表の形態が "シンプル" であれば、ピボットテーブル化することができます。
ピボットテーブルをつかえば、簡単な操作で様々な分析表を作成することができます。
ピボットテーブルを作成
- 「表」のどこか1カ所を選択
- 「挿入」タブを選択
- ピボットテーブルの作成ダイアログで「テーブルまたは範囲を選択」にチェックを入れる
- テーブルが正しく選択されていることを確認
- 「OK」をクリック
新しく「ピボットテーブル」のシートが作成された
新しいシートが追加され、"ピボッテーブル" が作成されました。
「ピボットテーブル」を作成する - Excelの機能を活用して、事務作業の省力化や経営分析をする
ピボットテーブルで「商品名」と「月」でクロス集計した「集計表」を作成
項目名を"行" や "列" のボックスにドラッグするだけで集計表を作ることができます。
- 「商品名」を"行" のボックスにドラッグ
- 「月」を"列" のボックスにドラッグ
- 「売上高」を"∑ 値" のボックスにドラッグ
「商品名」と「月」を複合集計
"行" や "列" のボックスを入れ替えるだけで、集計方法を変更することができます。
グラフ化することで、より分かりやすい分析表になります
ピボットテーブル化すれば、簡単な操作でいろいろな種類のグラフを作成することができます。
ピボットテーブルでグラフを作成 - Excelの機能を活用して、事務作業の省力化や経営分析をする
- "クロス集計"は「集計表の最終形態」
- "クロス集計"された「表」は、集計(分析)方法を変えることができません
- シンプルな「表」にしておけば、様々な集計(分析)方法に対応できる
- 「取得と変換」の機能で、クロス集計された「表」をシンプルな「表」に変換する
- "シンプルな表" をピボットテーブルにする