事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

Excelの機能を最大限に生かして、業務の省力化や経営状況を分析できる資料の作成方法を解説します。

「前月比」や「前年比」をピボットテーブルで簡単に計算する(その3)

ピボットテーブルは簡単に集計方法を切り替えることができます 

 「ピボットテーブル」は、元のデータを参照して別のシートに作成されます。

 しかも元のデータを参照して集計するので元のデータは変更していないので、集計方法を簡単に変更することができます。

 

前年同月を比較する資料(集計表)を作成する

 前年同月の数字を並べて表示する「2期比較」の資料は、時期(季節)によって状況が変化する要素を分析する際に有効な方法です。

 この集計は、「複合集計」「クロス集計」を組み合わせる必要があり、数式(SUMIF関数等 )を使う方法ではとても複雑になってしまいます。

 ピボットテーブルを使えば、フィールドリストでドラッグ操作するだけで「複合集計」「クロス集計」を設定することができます。

 同時に、集計表に連動したグラフも作成できるので「分析資料」を簡単に作成することができます。

 

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フィールドリストドラッグ操作だけで、様々な分析資料が作成できます

 フィールドリストでドラッグ操作をするだけの簡単な操作で、様々な種類の分析資料を作成することができます。

 フィールド名を「行」「列」「∑ 値」のボックスにドラッグするので、表(グラフ)の構造をイメージしながら作成できます。

 「複合集計」もフィールド名の「上・下」の配置がそのまま「どちらを主にするか」の設定になるので分かり易く操作できます。

 集計表(ピボットテーブル)だけではなく、「グラフも連動して作成」されるので視覚的な分析資料を作成することができます。

 

「2期」比較から「通年」への変更も、ドラッグ操作で簡単に変更できます

 ドラッグ操作で、「日付」「年」上下を入れ替えるだけで、「2期比較」から「通年比較」に切り替えることができます。

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「2期比較」から「通年比較」に集計方法が変わりました

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前年同月の情報を表現する2期比較

 「日付」「年」複合集計にして2期比較をすることで、月(季節)毎の売り上げ状況の情報を把握することができます。  

「軸」のボックスで、「日付」の下に「年」をドラッグ

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DATAの推移を表現する「通年比較」

 「年」「日付」複合集計にして、通年比較」とすることで、売り上げの推移を把握することができます。

「軸」のボックスで、「年」の下に「日付」をドラッグ

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顧客別の売り上げ状況

 「顧客名」「商品名」「クロス集計」で、「どの顧客が、どの商品を買っているか」を表す分析資料になります。    

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商品別の売り上げ状況

 「商品名(分類)」「顧客名」「複合集計」することによって、「どの商品が、どの顧客に売れているか」かを示す分析資料になります。 

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「商品名」と「顧客名」複合集計、「支社名」でクロス集計

 「商品名(分類)」「顧客名」複合集計し、さらに「支社名」クロス集計することで、「どの支社が販売したか」の情報を加えることができます。  

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資料の分析に有効な、ピボットテーブルの様々な機能

 ピボットテーブルには「分析作業」に役立つ色々な機能が用意されています。

 表示する「フィールド(項目)」を選ぶことができる「フィルター」的な使い方ができる「スライサー」や、表示する「期間」を選ぶことができる「タイムライン」などがあります。

「スライサー」「タイムライン」で情報を絞り込む

 簡単な操作で、フィルターの機能を持つ「スライサー」「タイムライン」を作成することができます。

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「スライサー」を作成します

 スライサーは同時に複数作成することができます。

  1. ピボットテーブル内のどこか1カ所を選択します
  2. 「ピボットテーブルツール」が表示されているのを確認
  3. 「分析タブ」を選択
  4. 「スライサーの挿入」をクリック
  5. スライサーの挿入で、作成するフィールド名にチェックを入れる   

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「顧客名」「分類」「支社名」の3つのスライサーが作成されました

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「タイムライン」を作成します

  1. ピボットテーブルのどこか1カ所を選択
  2. 「ピボットテーブルツール」が表示されているのを確認
  3. 「分析タブ」を選択
  4. 「タイムラインの挿入」をクリック
  5. タイムラインの挿入で「日付」にチェックを入れる

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タイムラインは、「バー」をドラッグ操作することで期間を変更します

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スライサー」と「タイムライン」を同時に使用することができます

 「スライサー」複数配置することができます

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デザインを変更することもできます
  1. デザインを変更するスライサーを選択します
  2. 「スライサーツール」が表示されているのを確認
  3. 「オプションタブ」を選択
  4. スライサースタイルで「スタイル」を選択します 

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スライサー」と「タイムライン」を使って情報を絞り込みます

 「スライサー」「タイムライン」フィルター機能と同じ働きをします。

 複数のスライサーを表示した状態で特定の項目を選択すると、他のスライサーで該当するデータがない項目はグレーアウトして選択できなくなります。

 

顧客名「A商事」➡ 取引のある支社は「本社」のみ ➡ 取扱商品は「その他」のみ

 この機能により、データの内容を視覚的に把握することができます。

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タイムラインでと、スライサーを組み合わせることもできます

  タイムラインとスライサーを組み合わせることで、さらに情報を絞り込むことができます。

  • 商品名  ➡ ココア
  • 支社名  ➡ さいたま支社 「ココア」を売り上げたのは「さいたま支社」と「新宿支社」
  • 顧客名  ➡ E商事     「さいたま支社」が「ココア」を販売したのは「E商事」
  • 日付   ➡ 2016年

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  今回はピボットテーブルを使って「2期比較」やその他の様々な「分析資料」を作成することができます。

 

 (その4)では、その他のピボットテーブルの機能「リレーションシップ」を使ってさらに複雑な分析資料を作成する方法を説明します。

 

  

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