リスト入力の設定にUNIQUE関数を使えば、データが増えても「元の値」の再設定は不要です
- リスト入力を使って作業効率を上げる
- リスト入力の設定にUNIQUE関数を使えば、データが増えても再設定不要
- リスト入力の「元の値」の作成は大変です
- UNIQUE関数を使って「元の値」を作成する
- リスト入力の設定をする
リスト入力を使って作業効率を上げる
リスト入力は同じデータを何度も入力する際に使えば、作業効率が上がるとても便利
な機能です。
リスト入力は「元の値」の作成が面倒
リスト入力の欠点は、新たなデータを入力したい場合は「元の値」に追加して再設定する必要がある点です。
入力前にどのようなデータが増えたのかが分かっていれば、手入力で「元の値」の表に追加しておくことができますが、たいていの場合は入力を始めてから「リストにデータが無い」ことが分かることが多くイライラしてしまうことが多いと思います。
そして、「リスト入力」が設定されたセルは手入力で入力することはできません。
リスト入力の設定にUNIQUE関数を使えば、データが増えても再設定不要
これまではリスト入力の「元の値」を自動で更新する方法は、複雑なマクロを使うしかありませんでした。
Excelの新しい関数、UNIQUE関数を使うことで、リスト入力の「元の値」が自動的に更新されるようになります。
この方法を使えば、表にデータを入力していけば自動的にリスト入力の「元の値」が追加されていきます。
UNIQUE関数は、新しい「スピル」の機能を持つ新しい関数です
Excelに新たに追加された関数「UNIQUE関数」は重複しない値を取り出すことができる関数です。
UNIQUE関数には、Excelに新たに追加された機能「スピル」の仕組みが含まれており、1つのセルに数式を入力すればUNIQUE関数で抽出されたデータがその下のセルに「あふれるように」表示されていきます。
そして、UNIQUE関数に「スピル範囲演算子(#)」を組み合わせて使うことによりリスト入力の「元の値」が自動的に更新されるようにすることができます。
※ 「スピル」の意味は「あふれる、こぼれる」
UNIQUE関数を使って、元の値を作成
UNIQUE関数を使えば、指定した範囲から重複分を除いた「元の値」を簡単に(一発で)作成することができます。
スピル演算子「#」を使うことで再設定不要になる
リスト入力の「元の値」の設定に、スピル演算子「#」を使うことで対象範囲のデータが増えても自動的に更新されるようになります。
リスト入力の「元の値」の作成は大変です
元の値の作成方法には複数ありますが、どの方法もデータが増えた場合は「作業」が必要になります。
入力されているデータを切り出し、そのデータを「重複の削除」の機能を使ってリスト入力の「元の値」を作成する方法を使えば簡単に「元の値」を作成することができます。
しかし、この方法では元になるデータが増えるたびに「切り出し ➡ 重複の削除」の作業を繰り返すか、もしくは新しいデータを手入力で追加しなければなりません。
Excelの「リスト入力」を積極的に使う - Excelの機能を活用して、事務作業の省力化や経営分析をする
「重複の削除」の機能を使って、元の値を作成する
リスト入力の「元の値」の作成は、手入力でもできますが、対象になるデータ範囲から「重複を削除」すれば簡単に作成することができます。
残念ながら、この作業はデータが増えるたびに繰り返す必要があります。
重複していた「12個」のデータが削除され、「9個」のデータが残りました
このように「重複の削除」の機能を使えば、リスト入力の「元の値」は簡単に作成することができます。
この方法では、あらたなデータが増えるたびに作業を繰り返す必要があります。
UNIQUE関数を使って「元の値」を作成する
UNIQUE関数は「スピル」の機能を持っているので、データが増えても自動的に更新されるようになります。
データの範囲を「テーブル化」します
テーブル化することで、データ数が増えても自動的にテーブルが拡張されるので、データが増えてもUNIQUE関数の引数の再設定が不要になります。
その特徴を生かして、UNIQUE関数の引数の「配列」にテーブル名を入力することでデータ数が増えても引数の再設定の必要がなくなります。
- 「名前」の表の、どこか1カ所を選択します
- 「挿入」タブをクリック
- 「テーブル」を選択
- データ範囲が正しく選択されているのを確認
- 「先頭行をテーブルの見出し・・・」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
テーブル名を「名前」に変更
数式で使いやすいように、テーブル名を「名前」に変更します。
- テーブル内のどこか1カ所を選択
- 「テーブルデザイン」タブを選択
- テーブル名のボックスに「名前」を入力
「fx(関数の挿入)」ボタンを使って、UNIQUE関数を入力
「fx」ボタンは、正式には「関数の挿入」ボタンと呼ばれるもので、使いこなせば数式の入力をぐっと効率化できる便利なボタンです。
通常通り、手入力で直接数式を入力するより簡単に入力することができます。
※ カッコやコンマを自動的につけてくれるので間違いにくく、修正も簡単です。
- UNIQUE関数を入力するセルを選択
- 「 fx(関数の挿入)」ボタンをクリック
- 関数の挿入ダイアログの関数の分類で「検索/行列」を選択
- 関数名のボックスで「UNIQUE」を選択
- 「OK」をクリック
UNIQUE関数の引数を設定
- 関数の引数のダイアログの配列のボックスを選択して「F3」ボタンを押す
- 名前の貼り付けダイアログで「名前」を選択
- 「OK」をクリック
- 配列のボックスに「名前」が入っているのを確認して、「OK」をクリック
「名前」のフィールドから、重複しない値が取り出された
UNIQUE関数で、「名前」のフィールドから重複しない値が抽出されました。
抽出された内容は「スピル」の特徴で、数式は再上端のセルのみで、それ以外は「ゴースト」という形で表示されます。
これが「スピル」の特徴で、データを表示する範囲を設定する必要がなく、必要に応じて自動的に拡張して表示されます。
※ 「スピル」の意味は、「こぼれる」、「あふれる」
抽出された「データ」が複数ある場合は、「ゴースト」として表示される
UNIQUE関数で抽出されたデータが複数ある場合は、実体のない「ゴースト」として表示されます。
ゴーストには修正等の操作することはできません。
※ ゴーストに変更を加えると「エラー」になります。
リスト入力の設定をする
UNIQUE関数で「元の値」ができたので、リスト入力の設定をします。
注意点は「元の値」の範囲が、UNIQUE関数で自動的に拡張されるのでリスト入力の「元の値」の範囲指定をする際に「#(スピル範囲演算子)」を使って、「元の値」の範囲が拡張されてもそれに対応できるようにします。
「元の値」の指定に、「#(スピル範囲演算子)」を入力
元の値に設定したい「表」の最上行のセルに「#(スピル範囲演算子)」を付けて指定することで、その下のゴースト部分を指定することができます。
データ(ゴースト)が増えても自動的に選択されます。
- リスト入力を設定するセルを選択
- 「データ」タブを選択
- データの入力規則の、ラジオボタン「▼」をクリック
- 「データの入力規則」を選択
- データの入力規則のダイアログの「設定」タブを選択
- 入力値の種類で「リスト」を選択
- 元の値のボックスに、数式「=E3#」を入力
- 「OK」をクリック
※ スピル範囲演算子(こぼれた範囲演算子)により、スピル範囲全体が参照できる
名前のデータが増えても、自動的に「リスト」に表示されます
このようにUNIQUE関数を使うことで、リスト入力の再設定が不要になります。
UNIQUE関数の基礎となる「スピル」の機能はExcelに追加された新たな機能(概念)で少し分かりにくい部分もあります。
しかし、この機能は今までの「何かを表示させるためには、そこに何らかの設定をする必要がある」という概念が変わる画期的な機能です。
一つのセルに「スピル関数」を入力しておけば、「あふれる」ように結果が表示されます。
この「スピル」機能を持つ関数はほかにも複数あります。
- XLOOKUP関数
- FILTER関数
- SORT関数
これらの関数に共通するのは「条件に合うものを表示させる」ことです、これらの関数に「スピル」の機能があることで、「あらかじめ結果を表示する範囲を用意する」ことなくデータを表示させることができます。
「スピル」の機能を持つ関数について、順次紹介していきます。
- リスト入力を使って作業効率を上げる
- リスト入力の設定にUNIQUE関数を使えば、データが増えても再設定不要
- リスト入力の「元の値」の作成は大変です
- UNIQUE関数を使って「元の値」を作成する
- リスト入力の設定をする