事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

Excelの機能を最大限に生かして、業務の省力化や経営状況を分析できる資料の作成方法を解説します。

XLOOKUP関数は縦方向・横方向に検索できます、しかも「スピル」んです (その2)

XLOOKUP関数には、さまざまなオプションがあります

 

XLOOKUP関数には「エラー」を表示しないオプションが追加されました

 XLOOKUP関数には6つの引数があります。

 しかし、必須の関数は3つ目までで、4つ目以降は省略可能です。

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① 検索値

 従来のVLOOKUP関数と同じ内容


② 検索範囲

 従来のVLOOKUP関数とは異なり、MATCH関数と同様に「検索する範囲だけを指定する」

 この検索範囲は"行方向(縦方向)"だけではなく"列方向(横方向)"にも指定することができる。


③ 戻り配列

 検索の結果として、「どこを返すのか」を指定する。

 LOOKUP関数と同様に、"検索する範囲""結果として得たい値"別個に指定できる。


見つからない場合

 検索値が見つからなかった場合に表示する"文字列""計算する数式を指定"する。

 この「引数」により、従来は「エラー(#N/A) 」を表示させないためには、IF関数ISERROR関数を使ったり、条件付き書式で消したりしていたが、「引数」を指定するだけでエラー表示を回避できるようになりました。

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⑤ 一致モード

 " 0"  完全一致(※ 規定値)

 "-1"  見つからないときに次に小さい値

 " 1"  見つからないときに次に大きい値

 " 2"  ワイルドカードによる検索(※ あいまい検索"*"や"?"を使う)


⑥ 検索モード

 どのように検索するか。

 " 1"  先頭から末尾へ検索

 "-1"  末尾から先頭へ検索

 " 2"  バイナリ検索(※ 昇順で並べられているとき)

 "-2"  バイナリ検索(※ 降順で並べられているとき)

※ "1""-1"の違いは、「検索値が複数存在していた時に、どの値を返したいか」で使い分けます。

 

② 検索の方向が、縦・横両方向に指定できる

 従来のVLOOKUP 関数は縦方向(Vertical)にしか検索ができませんでした。

 横方向(Horizontal)に検索するためには、HLOOKUP関数を使う必要がありました。

 今度のXLOOKUP関数は1つで、両方向への検索に対応しました。

 

VLOOKUP関数は、縦方向に検索

 検索対象は、表(選択範囲)の一番左の "列" に固定されます。

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HLOOKUP関数は、横方向に検索

 検索対象は、表(選択範囲)の一番上の "行" に固定されます。

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XLOOKUP 関数は、縦方向・横方向の両方に検索

 XLOOKUP 関数は、"MATCH関数"と同じように「検索する範囲を直接指定」できるので、縦・横両方向に検索することができます。

 検索したい範囲が「左端」「上端」にない場合でも検索できます。  

   縦方向に検索  

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   横方向に検索

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XLOOKUP関数の引数「見つからない場合」を使ってエラーを表示させない

 引数「見つからない場合」に、空白「""」を入力することで、検索結果が「該当なし」の場合は「空白」が表示されます。

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 このように、XLOOKUP関数VLOOKUP関数HLOOKUP関数の両方の特徴を持つ優れた関数です。

 そして、いままではエラーを表示させないようにするためには、IFERROR関数を組み合わせる必要がありましたが、「引数」を使うことで簡単にエラー表示を回避できます。

 

 次回は、XLOOKUP関数と同じように「スピル配列の特性を持つ他の関数」を組み合わせる方法を説明します。

  • XLOOKUP関数FILTER関数を組み合わせる
  • XLOOKUP関数SORT関数を組み合わせる

 

 

 

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