事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

Excelの機能を最大限に生かして、業務の省力化や経営状況を分析できる資料の作成方法を解説します。

デイサービスの利用状況の分析に「ピボットテーブル」を使う(その2)

「単純な集計表」ピボットテーブルの機能を活用して分析資料にする

 その1に続いて、今回はピボットテーブルの具体的な操作方法を説明します。

 

 

「利用状況の集計表」から分析資料を作成する方法

 ピボットテーブルを使えば介護保険の請求に使うための単純な「集計表」から、複雑な分析資料を作成する方法を説明します。

利用エリア別に、どの曜日の利用者が多いかの資料

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曜日別に、どのエリアの利用者が多いのかの資料

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月別の利用者数の推移の資料

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集計表をピボットテーブルで使える「形式」にする

  ピボットテーブルを使って分析資料を作成(可視化要約)するためには、何点かルールがあります。

  1. セルの連結をしない
  2. 空白行(データの無い行)を作らない
  3. フィールド名(項目名)を複数行にしない
ピボットテーブル作成時の注意点 

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「ピボットテーブル」を作成する

 ピボットテーブルの操作方法は簡単です、

  1. 「表」のどこか1カ所を「選択」(入力できる状態にする)
  2. リボンの「挿入」を選択
  3. リボンの左端の「ピボットテーブル」をクリック
  4. ピボットテーブルの作成ダイアログで「OK」をクリック

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ピボットテーブルのフィールド「行」、「列」、「値」に要素をドラッグ
  1. 「利用曜日」行のボックスにドラッグ
  2. 「50音別」列のボックスにドラッグ
  3. 「No.」∑値のボックスにドラッグ

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ピボットテーブルで集計表が作成されました

 「利用曜日」「50音別」クロス集計で利用回数が集計されました。

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集計表と連動した「グラフ」を作成

 「ピボットグラフ」の機能で、集計表と連動したグラフを作成できます。

  1. 集計表のどこか1カ所を選択
  2. 「ピボットテーブル分析」タブを選択
  3. 「ピボットグラフ」を選択
  4. グラフの挿入ダイアログで「縦棒」を選択
  5. 縦棒グラフの種類で「積み上げ縦棒」を選択
  6. 「OK」をクリック

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 ピボットグラフが作成されました

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「ピボットテーブル」の設定を変更する

 集計方法の変更「ピボットテーブルのフィールド」を操作するだけで簡単にできます。

」と「」を入れ替る

 ドラッグするだけで「行」と「列」を入れ替えて「軸」を「曜日」から「50音別」に変更することができます。

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「行」と「列」が入れ替わり、グラフも自動的に書き換わります

 軸が「利用曜日」から「50音別」に変更されました。

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「タイムライン」「スライサー」で分析したい要素を絞り込むことができる

 「期間を操作できるタイムラインや、表示するフィールドを選択できるスライサーを作成することができます。

 タイムラインやスライサーをクリックするだけ分析(可視化)したい「要素」を切り変えることができます。

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スライサーを作成する

 「50音別」、「介護度」、「利用曜日」のスライサーを作成します。

  1. 集計表のどこか1カ所を選択します。
  2. 「ピボットテーブルツール」が表示されているのを確認
  3. 「分析」タブを選択
  4. 「スライサーの挿入」をクリック
  5. 「スライサーの挿入」ダイアログで、「50音別」、「介護度」、「利用曜日」にチェックを入れる
  6. 「OK」をクリック

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スライサーを使えば、情報を絞り込むことができます

 スライサーを使って、特定の「エリア」だけを表示する

 「エリア」のスライサーを使えば、皆実町」に絞り込むことができます。 

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タイムラインを作成する

  データに「日付」形式のフィールド(項目)がある場合、「タイムライン」を作成することができます。

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「利用日」のスライサーを作成
  1. 集計表のどこか1カ所を選択
  2. 「ピボットテーブルの分析」タブを選択
  3. 「タイムラインの挿入」をクリック
  4. タイムラインの挿入ダイアログで「利用日」を選択

  ※ 表示形式が「日付」のフィールドがない場合は、何も表示されません

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タイムラインを使って、特定の「期間」だけを表示する

 作成した「タイムライン」のバーをドラッグするだけで、集計対象期間を変更することができます。

 タイムラインを使えば、利用状況を記録する台帳を「月別」に分ける必要がありません

 「日付」を気にすることなく入力し、年(年度)も別けずに入力しておけば、集計時に「前年同月」を分析する資料を作成することができます。

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「前月比」や「前年比」をピボットテーブルで簡単に計算する(その1) - Excelの機能を活用して、事務作業の省力化や経営分析をする

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「元のDATAになる表」の作り方に注意するだけです 

 分析の対象となる「表」の作り方さえ注意すれば、後の操作は簡単です。

 「行と列の入れ替え」や、「分析対象の期間を変える」ことは、「VLOOKUP」「COUNTIF」などの関数を使った方法では大変にな作業になってしまいます。

 ピボットテーブルを使えば、目的別に「データ」を作成せず全てのフィールド(項目)が入力された「表」から簡単な操作で様々な集計方法の「分析資料」を作成することができます。

 「タイムライン」の機能を使えば、「月」や「年(年度)」で分割されていない「表」から、任意の「期間」で集計することができます。

 「月」や「年(年度)」でデータ(表)を分けずに入力しておけば、分析資料を作成する際に「前年同月比」「時系列での推移」等の分析資料が簡単にできます。

 大変な作業も、ピボットテーブルの機能を使えば「視覚化された操作をするだけで簡単にできます

 「バザーの売り上げを集計する」「町内会費の集金状況」なども、ピボットテーブルを使えば、簡単なリスト形式の「表」を作るだけで、そこから「可視化要約された立派な資料」を作ることができます。

 ぜひ一度ピボットテーブルを使ってみてください。

 

 

  

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