事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

Excelの機能を最大限に生かして、業務の省力化や経営状況を分析できる資料の作成方法を解説します。

1つのセルに入力されたデータを分割する("取得と変換" でデータを分割)

"取得と変換" を使えば、"セル内改行" を行に分割することができます

 

「複数のデータを1つのセルにカンマで区切って入力」してあるデータを「データ別に1つのセルにする」作業を手作業でするのは大変です

 "取得と変換" を使えば、1つのセルにまとめて入力してあるデータを "1つのデータ" "1つのセル" に分割することができます。

 

1."県別" に、1つのセルに入力してある"市の名前"を別々のセルに分割

 県ごとに1つのセルにカンマで区切って入力してある「市名」1つのセルに1つの市名が入るようにします。

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関連付けられた「セル」連結して分割する

 データを分割する際に、同じ列にあるセルと関連付けて分割することができます。

 

岡山県の行にある "市名" には岡山県」のセルを表示

 同じ行にある「県名」と関連付けた形で分割することができます。

 「岡山県」にある「市の名前」を分割する際に、岡山県」のセルをコピーして付加することができます。

  

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営業部別の「職員名」

 "部署別""職員名" をまとめて入力してある「一覧表」を分割することで職員のデータベース用のDATAに使える形式にすることができます。

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2."セル内改行"「データの区切り」に使っている場合

 取得と変換を使えば、厄介な問題のデータを区切る方法"セル内改行(Alt+改行)" を使っているデータを "分割" することができます。

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 セルの幅が広くなりすぎることを防ぐための "セル内改行" を解除するのは簡単ですが、"データの区切りのため""セル内改行" を解除してデータをバラバラにすることは "VBA" を使っても難しい作業です。

「セル内改行( Alt + 改行 )」を削除する - 事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

 

取得と変換は、"セル内改行" 区切り文字#(lf)として認識

 「職員名」を区切る方法として"セル内改行" が使われている場合、それをバラバラにすることは "VBA" を使ったとしてもかなり困難な作業になります。

 取得と変換を使えば、"セル内改行"「区切り文字 『#(lf)』として認識し、その記号を基準にして分割します。

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"取得と変換" で、「1つのセルにまとめられた」データを分割する

1.1つのセルにまとめられた「市名」を分割する

 「県名」のセルの隣の "1つのセルに「市名」がまとめられている" 表の「市名」を分割して、「県名」の隣に「1つの市名」が表示される「表」に変換します。

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「取得と変換」を使う(その1)複数のファイル(CSV)を結合する - 事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

 

"テーブルまたは範囲から" のコマンドを実行

 データタブにある「テーブルまたは範囲から」のコマンドを実行すると、「表」が "テーブル化" されます。

 「表」が "テーブル化" されていなくても、自動で表がテーブル化」されます。

  1. 「表」のどこか1つのセルを選択する
  2. 「データ」タブを選択
  3. 「テーブルまたは範囲から」をクリック
  4. "テーブルの作成" ダイアログで、テーブルに変換する範囲が正しく選択されているのを確認(※ 自動で選択される)
  5. 「先頭行をテーブルの見出しとして・・・」にチェックを入れる
  6. 「OK」ボタンをクリック

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表を「テーブル化」して作業効率を上げる - 事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

 

"Power Query エディター" が立ち上がります

 "取得と変換" の機能は、外部プログラム(アドイン)の「Power Query」をExcelの "機能" として簡単に使えるようにしたものです。

 「Power Query」は、Excelとは別のプログラムとして動作するので注意が必要です。

 作業の流れは、取得と変換の機能でExcelから「データ」が "Power Query" に読み込ま(送り込ま)れ、データ返還後に "Power Query" でExcelの「ワークシート」が作成されます。

  1. 変換(分割)する、列(項目)の「市」の項目名の部分を "クリック" して選択する(※ 列(項目)全体の色が変わって選択状態になる)
  2. "Power Query" エディタで、「変換」タブを選択
  3. 「列の分割」をクリック
  4. プルダウンリストから、「区切り文字による分割」を選択  f:id:k-ohmori9616:20210212091603p:plain

※ 変換する「列」を選択する際に、「項目名」以外を "クリック" すると「項目(列)全体」が選択されないので注意

 

"区切り記号による列の分割" ダイアログで、区切り文字の「 、」を指定

 "区切り記号による列の分割" ダイアログで、分割するためのキーとなる区切り文字を指定します。

 問題なければ自動的に、区切り文字として使用している「 、」が選択されます。

  1. 区切り記号「 、」が正しく選択されているのを確認
  2. 折りたたまれている「詳細設定オプション」の部分をクリックして展開
  3. "分割の方法" を「列」に指定
  4. 「OK」ボタンをクリック

   デフォルトでは "分割方法" は「行」になっています

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分割された「表」を、ワークシートにしてExcelに戻す

 「表(項目)」が正しく分割されているのを確認して、ワークシートに変換してExcelに書き込みます。

  作業(変換)内容は、適用したステップのウインドに「ステップ」として表示される

  1. 「ホーム」タブを選択
  2. 「閉じて読み込む」をクリック
  3. プルダウンリストから「閉じて読み込む」を選択

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"Power Query" が終了し、Excelに戻ります

 "Power Query" が終了(閉じて)Excel画面に戻ります。

 「市名」が分割(変換)された、新しいワークシートが追加されています。

 画面の右端に「クエリと接続」ウィンドゥが表示され、作成されたワークシートが「テーブル2」の名称で表示され、そこをクリックするとPower Queryの画面に戻り編集(修正)することができます。

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2."セル内改行"「データの区切り」に使っているセルのデータを分割

 セル内改行は、区切り記号「 #(if) 」として認識されます。

 取得と変換で、この区切り記号を使ってデータを分割します。

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"取得と変換"で、区切り記号 #(if)でデータを分割

 分割したい項目(列)を指定すると、その項目で使用されている「区切り記号」が自動で表示されます。

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区切り記号「 #(if) 」で、分割されました

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Power Query で作成された「ワークシート」は "Power Query" とリンクしている

 Power Query で作成した「ワークシート」は、"Power Query" とリンクしているので、"取得と変換"作業内容を後からやり直す(変更)することができます。

  1. "元のデータ"どこか1つのセルを選択
  2. 「クエリ」タブを選択
  3. 「編集」をクリック 

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元の「表(データ)」の編集(追加)内容が反映される

 Power Query で作成された「表(ワークシート)」は、Power Query の「ステップ」とリンクしています。

 変換(分割)の元の「表(データ)」を修正(追加・削除)して、「クエリタブ」で "更新" のコマンドを実行すると修正内容が反映されます。

 

元の「表」の広島県の『市名』に『修正』を追加」

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"クエリタブ"で、「更新」を実行

 クエリタブの「更新」コマンドを実行すると、元の「表」の修正内容が反映されます。

  1. 項目を "変換(分割)"したワークシート「テーブル10」を選択
  2. 「クエリ」タブを選択
  3. 「更新」をクリック

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「部署名一覧表」"データ形式" に変更

 「部署名一覧表」などの表は、「見やすい様式」で作成すると "データベース的" な使い方をする時の「データ」としては使えません

 「1つのセルにまとめられた『職員名』をバラバラにすることで、「データ」として使える形式にすることができます。


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 "取得と変換" は、今回の「データを分割」する以外にも、「複数の表を結合」したり、「特定の項目だけを結合」したりと様々な「変換作業」ができる機能です。

 外部プログラム(アドイン)を使うので難しい感じがしますが、最新のバージョンではとても使いやすくなっています。

 マクロを使わなければならないような複雑な作業も、Excelの標準機能のような簡単な操作で使うことができます。

 

 

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