事務作業の省力化や資料作成に役立つ、Excelの使い方を紹介

Excelの機能を最大限に生かして、業務の省力化や経営状況を分析できる資料の作成方法を解説します。

「条件付き書式」を使って、財務諸表を「説明資料」に変える(その2)

元の表に手を加えることなく「情報」を追加する

 その1では、単純な「表」を、元の表の形を変えることなく「説明資料」に変える方法を説明しました。

 今回は、条件付き書式を設定する具体的な操作方法を説明します。

 

 合計の点数に応じて「レコード(行)」の色を変える場合

 単純な集計表に、条件付き書式を使って点数に応じて、レコード(行)に色を付けることにより「情報」を加えることができます。

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 条件付き書式にあらかじめ用意されている「条件」には、このように「レコード(行)」に 書式(色)を設定するものはないので、「数式を使用して、・・・」のコマンドで設定する必要があります。

Excelでは列(項目)のことを「フィールド」行(データ)のことを「レコード」と呼びます。

 

レコード(行)単位で、書式を設定

 数式を使ってレコードの中に条件に合うフィールドがあった場合に、レコード(行)全体に書式を設定する条件付き書式を設定します。

  • 「合計」が条件に合えば、そのレコード(行)全体を塗りつぶす

    「合計」のセルだけではなく、「A君」のレコード(行)を塗りつぶす

 

新しいルールを、「数式」を使って作成する
  1. 条件付き書式を設定する範囲を選択する
  2. 「ホームタブ」を選択
  3. 「条件付き書式」をクリック
  4. 「新しいルール」をクリック
  5. 新しい書式ルールのダイアログで「数式を使用して、書式設定する…」をクリック

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書式ルールの編集で、数式を入力「書式」を設定
  1. 数式を入力「$H3>=400
  2. 「書式」をクリックして書式を設定する
  3. セルの書式設定で「塗りつぶし」タブを選択
  4. 「赤」を選択

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 レコード(行)に書式を設定する時のポイントは、複合参照で「フィールド(列)」を固定することです

   数式= $H32 >= 400

 このように「列」を固定した「複合参照」にすることで、「合計」の部分を基準にしてレコード全体(行単位)で書式が設定されます。

数式を「  = H32 >= 400 」と相対参照」にすると、「セル単位での書式設定」になり、400点以上の「セル」が対象になるので注意が必要です。

 

指定した点数以上の部分に条件を設定したい場合

  • 各教科で80点以上のセルを赤くする

 この条件は、あらかじめ用意されている条件付き書式の中にあるので簡単です

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「条件付き書式」を設定したい部分を選択します

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あらかじめ用意されている「条件」の中から「指定の値より大きい」を選択します

 条件付き書式には、あらかじめいろいろな「条件」が用意されています。

  1. 「条件付き書式」をクリック
  2. 「セルの強調表示ルール」をクリック
  3. 「指定の値より大きい」をクリック

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「指定の値より大きい」のダイアログで、条件を設定します   

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用意されていない「条件」「数式を使用して書式設定を...」で条件を作成

  • 「レコード(行)」全体に条件を設定するときは「数式を使用して...」を使って条件を作成する必要があります。
  • 条件を「値より」ではなく「値以上」にしたい場合も、「数式を使用して...」を使う必要があります。(※ MOSの試験でよく出題されます)

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その3に続く

 

k-ohmori9616.hatenablog.com